「話だけを聞いてくれるひと」はほんとうに必要とは言えないという話
2019.08.17 monchi
暮らし
2016年4月から2017年7月まで、わたしは十日町市の飛渡地区の地域おこし協力隊として務めていました。
簡単に説明すると十日町市での地域おこし協力隊は、最長3年間延長ができる市役所の「準公務員」。
お給料と、住居と、車と、そのほかの経費を補助してくれる国の制度で、仕事の内容や時期による拘束時間(一応規定の勤務時間はあります)は、採用されたエリアによって全く違います。
わたしが当時行っていた仕事の内容はゆくゆく記すかもしれませんが、今回のタイトルを少しでも掘り下げるためはぶきます。
もうすこしわたしの説明を簡単にすると、2016年4月に千葉県習志野市から新潟県十日町市に移り住みました。当時24歳。
なんの縁もなく、もちろん友人などいるわけもなく、広大な自然と、文化も価値観も違う人たちの生活に突然入りこみました。
この壮大な「お引越し」には「自分を変えていく。試す。」という覚悟とリスクを背負って、挑んだものでした。
とはいえ、ひとりでは生きていけない。
そこで、出逢いを広げるためにSNSやブログでの発信、地域でのイベント参加などで交友関係を広めていくこととなります。
すると、移住したての頃は100人程度だったfacebookでの友達は、2年ほどで1000人を超しました。
数がすべてじゃないにしろ、たくさんの出逢いがあり、人生の豊かさは醸されていき、自分自身を信じてあげることができたり、目標も生き方も見失っていたはるか昔とは別の人生を歩んでいるようでした。
価値感に共感して連絡をくれたひと。
あなたのやり方が気に入らないというひと。
一緒に遊びたいと言ってくれるひと。
陰で悪口を言いふらすひと。
尊敬して信頼してくれているひと。
たくさんの方と出逢いました。
それゆえに一般企業に勤めていたときと比べると、波風が立つ頻度は群を超え、はっきり意見を述べると世が渡れず、自分を嫌っているひとにたくさんのスポットライトが当たってるかのように見える時がありました。
そうです。わたしは世渡り下手の、社会のはみ出し屋(笑)
そんなやつが都会から地域にフィールドを変えたところで、世渡り下手は治りません(笑)
とはいえ、はみ出し屋ははみ出し屋なりに自分を知ってもらう努力を重ねたところ、「はみ出し屋でもいいじゃん」ってひとたちにたくさん出逢うことができました。
それが今の最も尊い、宝物。
・・・とはいえ、です。
今回のテーマは「問題が起こった時に誰がほんとうに頼れる味方なのか?」というのは、生きていくうえで超重要なものだと思っていまして。
なんでかっていうと「挑戦する力」と「変化する勇気」をくれるから。
「嫌われてしまうかもしれない」という人間の根っからのこのネガティブをポジティブに変えてしまう力があります。
なにか新しいことをすると、必ず邪魔したり足を引っ張ってきたりするひとが現れます。
変化すると「いままでこうしてきたじゃん」「なんで変わっちゃったの?」とか、変化は当たり前なのに否定的なものもあります。
まあ、その大半が「自分自身」なのが多いんですけど(笑)
失敗したら恥ずかしいとか、そういう理由。
その「頼れる味方」という普遍的なものを例えると、プリキュアの女の子がもってる魔法のスティック的なものに値すると思ってます。
普段わたしたちは魔法なんて使えません。
あたらしいことに挑戦するときは、主人公は走ったり、転んだりしかできないわけです。魔法なんて異世界だけ。
でもその魔法スティックを持つだけで不思議と魔法をかけて前に進めるときがきます。
よく聞く言葉ありますよね。
「ひとに必要なのは何度でも立ち上がる力」だと。
寒いですか?寒い台詞ですか?
否、この一言に尽きます。
友達っていう概念なのか、恋人はたまた妻夫なのか、家族なのか、いろいろありますよね。
どのカテゴライズでもいいと思います。
昨日、とあることを思い出してわたしの中で明確に答えが決まりました。
「一緒にリスクをとってくれるひと」もしくは「話を聞いてくれるだけじゃなくて、悩み解決のアクションを起こしくれるひと」だなぁと。
「話だけしか聞くことはできないけど」
これこれ!よく聞きません?
これね、そんなに好きでもない女の子を口説くテクニックなんですよ(笑)
“そんなに好きでもない”これ重要。
こんなこと言うと反感を買ってしまうかもしれませんが「話をただ聞くだけの人」も時には必要ですが、転んで立ち上がる力になるのは「一緒に動いてくれる人」です。
協力隊時代の時に、同僚にめちゃくちゃ悪口を地域に言いふらされた時があり、それが耳に入ったひとやその人と仲が良かったひとは皆敵に見えました(笑)
それがキッカケで協力隊を辞めて独立したと言っても言い過ぎではないと思っています。
そんな崖っぷちのとき、協力隊のアドバイザーのKさんが、機を見計らってわたしの話をすごく親身に聞いてくれて、何より信頼してわたしのことを理解してくれました。
「問題」に対してのアプローチを的確に、そしてわたしのズタボロになったメンタルを支えてくれながら、中立な立場であることが求められるアドバイザーポジションから全力でわたしのサポートをしてくれました。それは、リスクを取ってくれたにほかなりません。その方に話を聞いてもらいながら泣きながら電話をしたこともあります。
もしかすると、この方がいなければわたしは十日町から離れるという選択肢を選んだ可能性さえあります。
今でも心の中の強い味方です。(勝手ながら)
そして新潟にわたしのいろんな意味でのお師匠がいるんですが、そのメンタルズタボロ期にお師匠に会った時に、
「さゆ、ほんとにつらかったね。仕事変えるなら紹介できるひとがいるから」
って、一緒に泣いてくれまして。
お師匠はまあ、涙もろくてすごく変わってるんですが、心から尊敬してて。
具体的に「紹介できるひとがいる」っていうリスクをとってくれてる。
「なにかこれからはじめよう」
だけど勇気がない。そんな人は、「一緒に動いてくれる」という魔法のスティックを持つといいです。
メンタルを強くすることも1つの手段ですが、かならずやメンタルは一度や二度といや、幾度となく折れます(笑)
だから「何度でも立ち上がる力」をつけるために、「一緒に動いてくれるひと」を生涯大事にしてください。
独身のひとは、寂しさについ溺れてしまうこともありますね。(わかります)
けれども彼氏や彼女という名ばかりものが必要なのではなく、あなたを心から信頼して動いてくれるひとが必要です。
そしてあなたも心からその人を信頼して「一緒に動いて」あげてください。
やりたいことはあるけど一歩踏み出せないひとが、「魔法のスティック」で空を飛べる世界がもっと増えますように。
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